研究会|Workshops

2023年度 第3回 土山湾研究会


2024年3月2日(土)13:30—19:00(日本、韓国時間) (周六)12:30―18:00(中国时间) 
場所: 明治大学グローバルフロント3階403N教室
司会・通訳(會議主持・翻譯):郭南燕(明治大学)
(日中両言語)


<本研究プロジェクトの進捗と今後の計画>   郭南燕(明治大学)

本プロジェクト「日本における上海土山湾工房作品の流布と影響に関する研究」は日本学術振興会の科研費基盤研究B(2021年度〜2025年度)の助成による。今は3年目の終わりを迎えているが、すでに多くの調査成果を得ている。本発表は現在の研究状況を概観し、今後の方向性を述べる。

本課題的研究狀況及今後規劃

本課題《關於上海土山灣工藝院作品在日本的流傳及影響的研究》是受日本學術振興會(JSPS)“基礎研究B”的資助,進行五年的調查研究(2021年4月~2026年3月)。目前是第三年的尾聲,已在調查研究中獲得不少收穫。本發言將概述目前的研究狀況和今後展望。

<土山湾孤児院の木彫風俗人形 —現時点の研究進捗と今後の課題—> 
中尾徳仁(天理参考館)

発表者は土山湾孤児院の木彫風俗人形研究を10年以上継続しているが、本科研で多くの専門家の教示を得て、さまざまな調査を行った結果、(1)国内外に類似する人形が多く存在していること(2)土山湾の人形製作にはキリスト教の布教師が大きな影響を与えていること(3)関連論文がいくつか存在すること、などの新事実が明らかになった。それらについて、現時点における研究進捗状況と、今後さらに研究を進めるための課題を報告する。

土山灣孤兒院的木雕風俗人形

我就土山灣孤兒院的木雕風俗人形進行了十年以上的研究,得到很多專家的指導。通過多次調查,得知(1)日本國內外有很多類似木雕風俗人形的存在;(2)土山灣的人性製作收到了天主教傳教士的很大影響;(3)已有相關論文數篇的存在。本發言將闡述目前的研究狀況和今後如何開展此研究。

<上海唐墓橋天主堂収蔵の土山湾作品に関する報告:大浦天主堂、堂崎天主堂の収蔵品との比較>
楊磊(思原編訳館)

唐墓橋天主堂は浦東地域の最大規模をもつ教会堂である。文化大革命による二十五年の閉鎖を経て、1991年に修復され、再開された。信徒たちが各自で収集した古い聖具をもってきて、教会の使用に供した。数々の危機を潜ってこれらの聖具を保存したことは奇跡的である。土山湾工芸院の製品カタログに照らして、これらの聖具は間違いなく土山湾作品であったことが確定できている。さらに大浦天主堂キリシタン博物館と堂崎天主堂キリシタン資料館の収蔵品と比較して、大浦と堂崎との収蔵も土山湾作品であることがわかった。つまり、唐墓橋天主堂の収蔵品は、日本に収蔵された土山湾作品の同定に非常に役に立っているといえる。

上海唐墓桥天主堂遗存土山湾物件报告

唐墓桥天主堂是上海浦东地区规模最大的一座教堂。1991年,教堂在关闭了四分之一个世纪之后重新整修开放。百废待兴之际,教友将各处收集来的一些旧物件送来教堂使用。这些物件在经历了各种破坏之后,仍能保存至今实属不易。
通过核对土山湾工艺院的产品目录,以及物件上的一些特有标志,能够确定它们均是出自土山湾工艺院。这些实物的发现可以帮助我们直观地了解土山湾的产品,跳出文本和图像的局限。与此同时,这些物件能够作为样本,去发现更多的相关产品。
报告介绍的唐墓桥天主堂遗存土山湾物件包括:铜铃、两款蜡烛台和圣体灯残件。此外,还将就两款蜡烛台与在长崎堂崎天主堂和大浦天主堂陈列室中看到几款蜡烛台做一些对比。

<ヴァスール原画の江南イメージとド・ロ版画における変化>
鄭巨欣(中国美術学院)

ド・ロ神父主導の版画制作のモデルは、土山湾孤児院で制作されたヴァスール神父の原画に基づく版画である。ヴァスール神父は1868年から1871年まで上海土山湾に滞在した時に制作した教理図5点が特に注目すべきである。これらの絵に現れた建築、家具、衣類、靴、帽子、髪型、器具、装飾などは、江南文化のイメージをよく表現している。ド・ロ版画になると、これらのイメージはさらに日本風に変更されている。本発表はヴァスール原画における江南イメージを解説する。

融入范世熙版画的中国江南元素及其在德罗版画中的延异

与以往不同,19世纪中期来到中国的外国天主教徒的传教方式是面向普罗大众,故其传教更加注重图像的表达。他们利用中国成熟的复制木刻版事技术,主导了大量的天主教图像印刷,不少图像因此有意无意地融入地域性的文化元素。其中,尤为引人注目的是,1868年至1871年,范世熙神父居住在上海土山湾时创作的五种一组的教理图。在该组教理图中,涉及建筑、家具、服装、鞋帽、发型、器具和装饰等多个方面的中国江南元素灿然而有迹可循。有意思的是,在日本的德罗神父以范世熙版画为参照制作的同一主题版画里,又将中国的江南元素转译成和式的元素。文章着重解读的是,融入范世熙版画的中国江南元素,兼及对天主教的适应性传教策略的相关诠释。

<ド・ロ神父の建築 —中世主義的意匠の導入過程について— >
小倉康之(玉川大学)

博学多才で知られるド・ロ神父は、建築の分野においても多くの優れた功績を残した。大浦天主堂の拡張工事に関わった可能性が指摘されているほか、旧羅典神学校、旧長崎大司教館などの建築が大浦に現存している。また、外海地区には、出津教会堂、大野教会堂、旧出津救助院、旧鰯網工場などがある。建築技術の面でも「ド・ロ壁」など、特筆すべき点が多い。堅牢性とデザイン性を両立させたド・ロ神父の建築思想と技術は、その弟子である鉄川与助にも引き継がれ、長崎の教会建築に多大な影響を与えた。本発表ではド・ロ神父の建築に関する業績を概観し、「単塔式ファサード」に注目しながら中世主義的意匠の導入過程について考察する。

德羅神父的建築:探討引入中世主義設計風格的過程

以博學多才而聞名的德羅神父在建築上有卓越的建樹。除了日本長崎的大浦天主堂的擴建工程可能由德羅神父參與以外,目前的大浦依然留有他設計的舊拉丁神學院和舊長崎大司教館。在長崎市北部的外海地區,有他設計的出津教堂、大野教堂、舊出津救助院、舊沙丁魚網工廠等等。
從建築技術來看,“德羅牆壁”值得注意。德羅神父的建築思想是同時具有堅固性和設計美觀性。這被弟子鐵川與助繼承,給長崎教會的建築帶來很大影響。在本發言中,我將概述德羅神父的建築業績,並注重他設計的“單塔立面”,考察他如何引入中世主義的設計風格。

<上海・長崎の教会建築の初歩的比較 > 楊磊(思原編訳館)

上海と長崎はそれぞれの国において、もっとも早く外国人に開放した港町である。この二つの都市は距離が近く、船舶運行が便利であった。そのため、カトリック教会は早くからこの二つの町で発達した。19世紀中期、イエズス会は上海へ戻り、パリ外国宣教会は長崎へ宣教に来た。持ち込んだのはカトリック信仰だけではなく、各種の教会建築もあり、それぞれ独特な文化を生み出した。
本発表は、上海と長崎のいくつかの教会の建築様式を比較し、(1)宣教師の用いた欧州様式から当時の宣教方針を探り、(2)宣教師の個人的経験が建築様式に与えた影響を解明し、(3)宣教師による教会の建築がいかに現地の物質的条件と文化的特徴に適応していたのかを理解し、(4)上海と長崎の教会建築の異同を把握する。 本発表は、上海の董家渡天主堂、洋涇浜天主堂、虹口天主堂と、長崎の大浦天主堂、出津天主堂に触れる。建築設計はフランシスコ会の孟神父(Fr. Jérome Mangieri, O.F.M.)、イエズス会の羅礼思神父(Fr. Louis Hélot, S.J.)と馬歴耀修士(Br. Léon Mariot, S.J.)、パリ外国宣教会の徳羅神父(Fr. Marc de Rotz, M.E.P.)。

上海和长崎教会建筑设计浅析

上海和长崎是中日两国最早开埠的城市之一,彼此之间又因航运便捷、距离相近而堪称一衣带水。天主教会很早就已经在这两座城市扎根和发展,随着19世纪中叶的开埠,来自耶稣会和巴黎外方传教会的传教士重新回到这里。他们带来的不仅有天主教信仰,还有各类西式的教会建筑。两座城市由此产生出了非常独特的历史文化面貌。
报告将针对上海和长崎的几座早期教会建筑做一些介绍,从建筑风格的发展和比较:1)厘清传教士以西式风格来设计这些教会建筑的背后传教策略;2)揭示传教士个人经验对于这些建筑风格的影响;3)探究传教士在建造这些建筑时,如何适应本地的物质和文化特点;4)找寻两座城市教会建筑之间的异同。
报告中涉及的教会建筑有:上海的董家渡天主堂、洋泾浜天主堂和虹口天主堂,长崎的大浦天主堂和出津天主堂。建筑设计师有方济各会士孟神父(Fr. Jérome Mangieri, O.F.M.),耶稣会士罗礼思神父(Fr. Louis Hélot, S.J.)和马历耀辅理修士(Br. Léon Mariot, S.J.),以及巴黎外方传教会士德罗神父(Fr. Marc de Rotz, M.E.P.)。

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