研究会|Workshops

2022年度 第3回 土山湾研究会


2023年3月4日(土)13:00—16:30

場所:Online(Zoom)


<土山湾画館点描『土山湾画館人物志』に基づいて> 李梁(弘前大学)

土山湾画館は近代中国における西洋美術教育の濫觴または揺り籠だったと称されている。1852年、中国に再来したイエズス会が土山湾で創立した美術工芸学校では、その美術学科では、水彩、鉛筆、擦筆(さっびつ)、木炭、油絵などに分かれ、素描写実では、主として人体、植物禽獣類を以てとし、おもに西洋キリスト教宗教画を主題にしている。勿論、学生は孤児院の子供達であった。彼らが美術工芸の技能を様々な工房で学び、腕を磨きながら、数多くの美術工芸品の製作に携わっていた。そうしたことからみれば、土山湾の近代中国文化に対する最大の貢献は、美術、工芸の論理的な教育と創作実践にあったのだと言える。

<長崎大司教区における彫像群調査-フランス・土山湾・日本の関係>
内島美奈子、島由季(大浦天主堂キリシタン博物館)

今回は土山湾工房作品に関連する彫像群について発表する。現在までの調査により、長崎大司教区にある古い彫像群はフランス製、中国製、日本製のいずれかであり、中国製には土山湾工房作品が含まれていることが明らかとなった。発表前半(島)では、まず土山湾工房作品が残る教会や関連する宣教師に関する情報をまとめ、土山湾工房作品が長崎にもたらされた経緯にせまってみたい。発表後半(内島)では、彫像に関する報告を行う。フランス独自の彫像の図像形成を説明し、それらが中国と日本で模倣され、受容されている状況を指摘する。

<鯨賓館ミュージアム、黒島教会、久賀島潜伏キリシタン資料館、浜脇教会の調査報告>
郭南燕(東京大学)、白石恵理(京都大学)

2023年2月に、鯨賓館ミュージアム(新上五島町)、黒島教会(佐世保市)、久賀島潜伏キリシタン資料館(五島市)、浜脇教会(五島市)で調査を行い、日本に到来した土山湾工房の作品に関する理解が少しずつ深まってきる。本発表では、この四か所での調査を報告し、メンバーたちと共に考えることを目的とする。

<研究進捗報告と、論文「A China Carved and Collected」によって判明した情報>
中尾徳仁(天理大学附属参考館)

まず、前回の発表(2022年11月)から2023年3月までに行った調査・研究(長崎・平戸のキリシタン関係施設調査を含む)について簡単に報告する。続いて、寧波の木彫人形について書かれたYuanxie Shiの論文「A China Carved and Collected : Ningbo Whitewood Figurines in the Long Twentieth Century」(2019)より、新たに判明した情報について報告する

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