研究会|Workshops

2022年度 第2回 土山湾研究会


2022年11月5日(土)、11月6日(日)

形式:ハイブリッド
会場1: 東京大学本郷キャンパス 赤門総合研究棟1階 グローバルリーダー育成プログラムLearning Studio
会場2:Zoom:


11月5日(土)

<『江南伝教史』の異同と所見の若干土山湾の早期状況> 李梁(弘前大学)

清末民国初年、土山湾印書館から前後にして同名異文の『江南伝教史』が現われた。つまり高龍鞶と史式徽の『江南伝教史』である。本報告では、この二書の縁起、内容と特色を比較検討したうえ、その史料価値について検証する。そして、最後に主として史式徽の二巻本『江南伝教史』からみた初期土山湾の幾つか状況を概観する。 

<早期プティジャン版と土山湾版画の影響関係に関する考察> 郭南燕(東京大学)

早期プティジャン版の『弥撒拝礼式』(1869)、『ろざりよ十五のみすてりよ図解』(1871)、『玫瑰花冠記録』(約1871)が土山湾制作の模様を模倣していただろう、と書いてきたが、最近の研究で、その因果関係を確定するための証拠がもう少し見つかっている。これの調査結果を報告する。


11月6日(日)

<ド・ロ神父の書簡(最近発見)の紹介-土山湾への言及>
Sylvie Morishita (美術史研究者)、郭南燕通訳

中国在住のパリ外国宣教会の神父宛に書いたド・ロ神父の書簡が36通あったことが、2022年1月15日に浦上キリシタン資料館で開催された市民セミナリヨにおける中村和子氏の発表で分かった。しかし、その書簡は読解がスムーズにいっていないようで、中村氏がこれを公開することは困難なようである。

ド・ロ神父の書簡は、土山湾の影響を濃厚に受けた「ド・ロ版画」の由来を理解するために非常に大切な資料となる。フランス在住の美術史研究者のSylvie Morishita氏に依頼して、書簡のコピーと翻字を依頼した(科研費により)。ちょうど来日しているMorishita氏は、本研究班のために、書簡の内容を紹介してくださる。

昼食(学外・赤門付近)

<日本玩具博物館が所蔵する中国木彫風俗人形の調査報告>
中尾徳仁(天理大学附属参考館)

2022年10月6日に日本玩具博物館(兵庫県姫路市)を訪問し、所蔵されている中国木彫風俗人形全点の撮影・採寸、および学芸員からの聞き取り調査を実施した。その内容について発表する。調査の結果、上記館には20世紀前期から後期にかけて制作・販売された木彫人形が50点以上存在することが分かった。さらに、これらの人形を販売する際に使用する専用の「箱」も所蔵されていた。

併せて、南蛮文化館(大阪府大阪市中津)で行った調査や、現在当館で開催している「中国古典名品展」に展示されている漢籍『程氏墨苑』の中の木版画「セビリアの聖母」について発表する。

<大江天主堂のド・ロ版画の早期使用に関する資料について> 郭南燕

大江天主堂で飾られているド・ロ版画は、本研究班の調査対象としてきているが、これらの版画はどのように利用されていたのかはまだ謎である。この謎を解くために、当時の資料と写真を探してみた。資料の読み直しによって見えてきたことを報告する。

<黒島教会と土山湾工房との関係に関する初歩的研究>
郭南燕、宮田和夫(日本二十六聖人記念館)

土山湾工房で製造されたチボリウム(聖体入れ)が黒島教会によって収蔵されていることが本研究班の調査(2022年3月、2022年7月)で分かった。なぜそこで収蔵されているのかを考えるために、マルマン神父と土山湾関係とはどのような関係があるのかをまず探る必要があると思う。これについての初歩的な研究をまず報告する。

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